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あおば行政法務事務所
和室の机に並ぶ二つの湯のみと眼鏡、深緑の書類ファイル(親子で将来に備えるイメージ)

親御さんとお子さまで考える、将来の備え

元気なうちに、「任せる人」を自分で決めておく。

任意後見契約(移行型)の公正証書づくりを、ご相談・契約書原案の作成・公証人との事前調整・作成当日の立会いまで、行政書士が一貫してお手伝いします。公証役場とのやり取りは当事務所が引き受けます。

受付:平日 9:00〜17:00 / 初回相談無料(オンライン・対面 選択可)〒225-0024 神奈川県横浜市青葉区市ケ尾町1153-3 第2カブラギビル606(田園都市線 市が尾駅 徒歩1分)

当事務所の代表自身も、親の老後や任意後見を身近な問題として考える世代になりました。同じ世代の友人や知人から、「親が元気なうちに、子どもを後見人に決めておきたい」「親子で任意後見契約を結びたい」というご相談をいただくことが、ここ数年で目に見えて増えています。このページでは、ご相談の場や公証人とのやり取りで実際に使っている資料をもとに、任意後見契約、特に「移行型」の考え方と手続きを整理しました。

このページの要点

  • 任意後見契約は、判断能力があるうちに「将来の代理人(任意後見人)」と「任せる事務の範囲」をご本人が決めておく契約です。公正証書で作らなければなりません(任意後見契約に関する法律 第3条)。
  • 契約の効力が生じるのは、判断能力が衰えた後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときです(同法 第2条第1号・第4条)。
  • 「移行型」は、財産管理等の委任契約を同時に結んで元気なうちから支援を始め、判断能力が衰えたら任意後見に切り替える方式です。支援の空白が生じにくいのが利点です。
  • 法定後見と違い、後見人を自分で選び、任せる範囲も自分で決められます。一方で、法定後見のような取消権はありません。
  • 当事務所は、ご相談・契約書原案(代理権目録を含む)の作成・公証人との事前調整・必要書類のご案内・作成当日の立会いまでを一貫して担当します。

最終更新: 2026年9月 / 行政書士 齋藤 光宏(開業24年・日本行政書士会連合会 登録第02092927号)

What is

任意後見契約とは

任意後見契約は、認知症などで判断能力が不十分になったときに備えて、ご本人が元気なうちに、生活・療養看護・財産管理に関する事務を信頼できる人に任せ、その代理権を与えておく契約です(任意後見契約に関する法律 第2条第1号)。任せる相手を「任意後見受任者」、効力が生じた後は「任意後見人」と呼びます。

この契約は、法務省令で定める様式の公正証書で作らなければなりません(同法 第3条)。公証人がご本人の意思と判断能力を確認して作成し、契約の内容は公証人の嘱託によって法務局(東京法務局)に登記されます。後で「本当に本人が望んだ契約か」が争われにくいのは、この仕組みがあるからです。

契約を結んだだけでは、任意後見人の代理権はまだ使えません。判断能力が衰えた後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときに初めて効力が生じます(同法 第2条第1号・第4条第1項)。任意後見人の仕事ぶりは、この監督人を通じて家庭裁判所がチェックします。

For you

こんなご相談をいただいています

親御さんから

  • 子どもに迷惑をかけないよう、元気なうちに決めておきたい
  • 銀行や役所に行くのがつらくなってきた。手続きを子どもに任せたい
  • 夫(妻)に先立たれ、ひとりで暮らしている

お子さまから

  • 親の物忘れが気になり始めた。今のうちに何をしておけばよいか
  • 遠方に住んでいて、親の通帳や支払いの状況が分からない
  • 兄弟のうち誰が後見人になるか、揉めないように決めておきたい

お子さまのいないご夫婦・おひとりの方

  • 甥や姪、信頼できる知人や専門家に後のことを頼みたい
  • 入院や施設入所の手続き、亡くなった後の手続きまで任せたい

他の制度と迷っている方

  • 家族信託と任意後見、どちらがよいのか分からない
  • 法定後見を勧められたが、家族を後見人にしたい
  • 遺言は作ったが、生きている間の備えがない

Compare

任意後見と法定後見の違い

どちらも判断能力が衰えた方を支える「成年後見制度」ですが、始め方と、誰が後見人を選ぶかが根本的に違います。任意後見は、元気なうちにしか選べない方法です。

任意後見と法定後見の比較表
比較項目任意後見法定後見(後見・保佐・補助)
始め方ご本人が元気なうちに、公正証書で契約を結ぶ判断能力が衰えた後、親族等が家庭裁判所に申し立てる
後見人を選ぶ人ご本人(お子さま・親族・専門家など自由に選べる)家庭裁判所(候補者を推薦できるが、選ぶのは裁判所)
任せる範囲契約で決めた範囲だけ(代理権目録に列挙)法律と審判で決まる(後見類型は財産全般に及ぶ)
効力が生じる時期家庭裁判所が任意後見監督人を選任したとき家庭裁判所の審判が確定したとき
取消権なし(本人が結んだ不利な契約を取り消す権限はない)あり(後見人等が一定の行為を取り消せる)
監督任意後見監督人(家庭裁判所が選任)が必ずつく家庭裁判所が監督(必要に応じて監督人を選任)
報酬任意後見人は契約で決める(無報酬も可)。監督人の報酬は家庭裁判所が決める家庭裁判所が決める(本人の財産から支払う)
向いている方元気なうちに、信頼できる人と任せ方を決めておきたい方すでに判断能力が衰え、契約を結ぶことが難しい方

最高裁判所の統計では、2025年に法定後見が始まった事件で、ご親族が後見人等に選ばれたのは約16.4%にとどまり、残りの約83.6%は弁護士・司法書士・社会福祉士などの親族以外が選ばれています(最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況 令和7年1月〜12月」)。「子どもに後見人になってほしい」というご希望を確実に形にできるのは、元気なうちに結ぶ任意後見です。

任意後見契約が登記されている場合、家庭裁判所は、本人の利益のため特に必要があると認めるときに限って法定後見の開始の審判をします(任意後見契約に関する法律 第10条第1項)。ご本人が選んだ任意後見が、原則として優先される仕組みです。

任意後見と法定後見の違いを詳しく見る

Types

将来型・移行型・即効型 当事務所が移行型をおすすめする理由

任意後見契約は、元気なうちの支援をどうするかで3つの形に分かれます。日本公証人連合会も、実務上は委任契約と任意後見契約を同時に結ぶ「移行型」が多いと説明しています。親子間のご相談では、当事務所も多くの場合に移行型をご提案しています。

任意後見契約の3類型の比較
類型契約の構成判断能力があるうちの支援向いている方
将来型任意後見契約のみご本人が自分で管理。支援者は関与しない今は自分で管理できており、費用を抑えたい方
移行型当事務所の基本提案委任契約+任意後見契約(同時に締結)委任契約に基づき、受任者が財産管理や手続きを代行今から手伝ってほしいことがある方・判断能力の変化に早く気づいてほしい方
即効型任意後見契約を結んですぐに監督人選任を申し立てる―(契約直後から任意後見を開始)判断能力の低下が始まっているが、契約内容は理解できる方。契約時の判断能力が争われやすく、慎重な検討が必要

移行型をおすすめする理由

  • 将来型では、判断能力の低下に誰も気づかず、監督人選任の申立てが遅れて「契約はあるのに使われない」状態になりがちです。任意後見契約は年間1万7千件以上(2024年は17,665件)登記されている一方、任意後見監督人選任の申立ては年間900件足らず(2025年は881件)です。
  • 移行型なら、受任者が日頃から通帳や支払いに関わるため、変化に早く気づき、そのまま同じ人が任意後見に移れます。
  • 足腰の衰えや入院など、判断能力とは関係なく手続きを頼みたい場面にも対応できます。

移行型の弱点と、当事務所の対策

委任契約の期間中は任意後見監督人がいないため、公的なチェックが働きません。当事務所では、①報告書の写しを他のご家族にも送る条項、②判断能力の低下に気づいたら速やかに監督人選任を申し立てる義務、③委任契約で任せる範囲を必要最小限にとどめる、という3つの手当てを原案に組み込んでいます。

How it works

移行型は、こうして切り替わります

「委任契約」から「任意後見契約」へ。同じ受任者が、判断能力の変化に合わせて支援の根拠を切り替えていきます。

  1. 1

    委任契約と任意後見契約を、1通の公正証書で同時に作成

    「委任契約及び任意後見契約公正証書」として作るのが一般的です。任意後見契約の部分は、公証人の嘱託により東京法務局で登記されます(公証人法 第51条)。

  2. 2

    元気なうちから委任契約で支援を開始

    預貯金の出し入れ、公共料金や医療費の支払い、介護サービスの手続きなど、決めた範囲の事務を受任者が代行します。

  3. 3

    定期的な報告と見守り

    受任者はご本人(と、契約で決めた家族)に定期的に報告します。日常的に関わるので、判断能力の変化に早く気づけます。

  4. 4

    ――― ここで判断能力が衰える ―――

    判断能力が衰えたら、家庭裁判所に監督人選任を申し立てる

    医師の診断書などを添えて、本人の住所地の家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てます。申し立てられるのは本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者で、本人以外が申し立てるときは、本人が意思を表示できない場合を除き本人の同意が必要です(任意後見契約に関する法律 第4条)。申立書類の作成・代理は司法書士・弁護士と連携します。

  5. 5

    監督人が選ばれた時点で任意後見に切り替わる

    委任契約は終了し、任意後見契約が効力を生じます。同じ人が、監督人のチェックを受けながら支援を続けます。

Scope

任せる範囲は「委任契約は狭く、任意後見契約は広く」

任せる事務は「代理権目録」に一つずつ書き出します。監督のない委任契約の期間は今必要な事務に絞り、監督人がつく任意後見では将来必要になりそうな事務まで広げるのが設計の基本です。

委任契約と任意後見契約の代理権の範囲の設計例
事務の内容委任契約任意後見契約設計のポイント
預貯金の管理・振込両方に入れるのが基本
年金の受領・公共料金等の支払い両方に入れるのが基本
役所の手続き・証明書の請求住民票・介護保険・年金など
医療・介護サービスの契約委任は支払い中心、任意後見では契約の締結・解除まで
施設への入所契約×入所予定がある場合は委任にも入れることがある
自宅など不動産の管理委任では現状維持の管理にとどめる
自宅など不動産の売却×任意後見監督人の同意を条件にする設計がある
株式・投資信託の管理・売却×元気なうちはご本人が判断する
遺産分割協議・相続手続き×配偶者が先に亡くなった場合に備える
税金の申告・納付×税理士への依頼の代理を含めて設計

○=含める / △=限定して含める / ×=含めないことが多い。ご家庭の事情により設計は変わります。

代理権目録の作り方を詳しく見る

Parent & Child

親子で任意後見契約を結ぶときに、決めておくこと

お子さまが受任者になる契約は、手続きそのものより「家族の中での決め方」が後々の安心を左右します。ご相談の場で必ず確認している点です。

  1. 01

    お子さまが複数いるときは「誰に」「どう分けるか」を先に決める

    受任者を複数にする場合、それぞれが単独で動ける「各自代理」と、全員そろって動く「共同代理」があります。共同代理は1人が欠けると契約全体が動かなくなるおそれがあるため、当事務所では、受任者ごとに別々の契約を結ぶ各自代理を基本にご提案しています。

  2. 02

    受任者になるお子さまに何かあったときの備え

    受任者が先に亡くなったり病気になったりすると、その契約は使えなくなります。現行制度では、2人目の受任者と別の任意後見契約を結んでおくなど、公証人と相談しながら「次の人」を用意します。2026年の法改正では、複数の受任者について効力を生じさせる順序を合意できるしくみが設けられました(施行後に適用)。

  3. 03

    受任者にならない兄弟姉妹にも報告が届く仕組みにする

    委任契約の期間中は、任意後見監督人がまだいないため公的なチェックが働きません。報告書の写しを他の兄弟姉妹にも送る条項を入れておくと、使い込みの疑いや、後の相続での不信感を防ぎやすくなります。

  4. 04

    報酬を決めておく

    お子さまが受任者になる場合も、報酬の有無と金額を契約で決めておきます。無報酬にするか、少額の報酬を定めるかを、ご家族で話し合っていただいた内容を条項にします。

  5. 05

    主な取引銀行の取扱いを事前に確かめる

    委任契約の公正証書があっても、代理人による取引をどこまで受け付けるかは金融機関ごとに異なります。メインバンクの取扱いを事前に確認し、必要なら銀行所定の代理人届も併せて準備します。

  6. 06

    「監督人選任の申立て」を先送りしない条項を入れる

    判断能力が衰えても監督人選任を申し立てず、監督のない委任契約のまま続けてしまう「移行型の濫用」が問題視されています。判断能力の低下に気づいたら速やかに申し立てる義務を契約に明記します。

親子で結ぶ任意後見契約の設計を詳しく見る

Our support

ご相談から公正証書の完成まで 公証役場との調整は当事務所が担当します

ご相談から公正証書の作成まで、通常1〜2か月ほどです。公証役場の空き状況やご家族の日程によって前後します。

  1. 01

    初回相談(無料)

    担当: 当事務所

    ご家族の構成、今困っていること、将来の不安を伺い、任意後見が合うか、家族信託や遺言と組み合わせるべきかを整理します。親子おそろいでのご来所をおすすめしています。

  2. 02

    契約内容の設計

    担当: 当事務所

    受任者、委任契約と任意後見契約それぞれの代理権の範囲、報酬、報告の方法と送り先、移行の条件を決めます。

  3. 03

    契約書原案・代理権目録の作成

    担当: 当事務所

    「委任契約及び任意後見契約公正証書」の原案と、2種類の代理権目録を作ります。ご本人・受任者に読んでいただき、納得いくまで修正します。

  4. 04

    公証役場との事前調整(取り次ぎ)

    担当: 当事務所 ⇄ 公証人

    公証役場の予約、原案の送付、公証人との文言調整、必要書類と手数料の確認を当事務所が行います。ご家族が公証役場と何度もやり取りする必要はありません。

  5. 05

    公正証書の作成当日

    担当: ご本人・受任者・公証人(当事務所が立会い)

    公証人がご本人の意思を確認し、内容を読み聞かせたうえで署名します。公証役場に行けない場合は、公証人の出張を手配します。

  6. 06

    登記の完了・委任事務のスタート

    担当: 公証人 → 法務局/受任者

    任意後見契約は公証人の嘱託で登記されます。受任者向けに、通帳等の預かり方・記録の付け方・報告書の書き方をご説明します。

Documents

公証役場に提出する主な書類

公証役場によって求められる書類が少し異なるため、正式には事前調整の段階で当事務所からご案内します。

任意後見契約の公正証書作成に必要な書類
誰の書類か書類備考
ご本人印鑑登録証明書と実印発行から3か月以内。顔写真付きの本人確認書類と認印で足りる場合もあります
ご本人戸籍謄本(または戸籍抄本)発行から3か月以内
ご本人住民票発行から3か月以内
受任者印鑑登録証明書と実印発行から3か月以内。顔写真付きの本人確認書類と認印で足りる場合もあります
受任者住民票発行から3か月以内
受任者が法人の場合登記事項証明書・代表者の印鑑証明書発行から3か月以内

Fees

費用の目安

かかる費用は「公証役場に支払う実費」「当事務所の報酬」「将来、任意後見が始まった後の費用」の3つに分かれます。

1. 公証役場に支払う費用(移行型・受任者1人の場合)
項目金額の目安備考
任意後見契約(1契約あたり)13,000円証書が3枚を超えると1枚ごとに300円加算。受任者2人と別々に契約する場合は2契約分
財産管理等の委任契約(移行型)13,000円(目安)目的の価額を算定できない場合は500万円とみなして算出。報酬の定め方で変わることがあります
登記嘱託手数料1,600円公証人が東京法務局に登記を嘱託するための手数料
登記用の収入印紙2,600円
正本・謄本紙は1枚300円/電子データは1通2,500円枚数・受け取り方で変わります
出張で作成する場合1契約6,500円の加算+日当2万円(4時間以内は1万円)+交通費ご自宅・病院・施設での作成(病床執務加算は手数料の5割)
2. 当事務所の報酬
項目報酬備考
任意後見契約(移行型)の設計・契約書原案作成・公証役場との調整・当日立会い11万円(税込)受任者1名の標準的な移行型の場合。受任者が複数の場合や出張での作成などは、初回相談時に書面でお見積りします
公正証書遺言を同時に作成する場合(起案・証人2名・公証役場調整)11万〜22万円(税込)相続・遺言ページ掲載の公正証書遺言の作成支援報酬です。同じ公証役場・同じ日に手続きをまとめられます
死後事務委任契約・見守り契約を併せて作成する場合お見積り
3. 任意後見が始まった後の費用
項目金額の目安備考
任意後見監督人選任の申立て収入印紙800円+登記用収入印紙1,400円+郵便切手郵便切手の額は家庭裁判所ごとに異なります。鑑定が必要な場合は鑑定費用がかかります(最高裁の統計では、鑑定を行った事件の約85.8%で10万円以下)
任意後見監督人の報酬家庭裁判所が決定管理する財産の額などに応じて決まり、ご本人の財産から支払います
任意後見人(受任者)の報酬契約で決めた額無報酬とすることもできます

公証役場の手数料は公証人手数料令で定められており、2025年10月1日に改定されています。実際の金額は、原案が固まった段階で公証役場に確認してお知らせします。

Together

任意後見契約と一緒に準備することが多いもの

任意後見は「生きている間の財産管理と契約」のための仕組みです。亡くなった後のこと、財産を積極的に動かすことは、別の書類で備えます。

公正証書遺言

任意後見はご本人が亡くなった時点で終わります。財産の行き先は遺言で決めておく必要があります。任意後見契約と同じ公証役場で、同じ日に作るご依頼が増えています。

公正証書遺言の作り方と費用

死後事務委任契約

葬儀・納骨、病院や施設の費用精算、賃貸住宅の明け渡し、各種契約の解約など、亡くなった後の手続きを任せる契約です。お子さまのいないご夫婦やおひとり暮らしの方に特に必要です。

死後の手続きと遺言の関係

家族信託

自宅の売却や賃貸アパートの建替えなど、財産を積極的に動かす必要がある場合は、任意後見だけでは足りないことがあります。財産管理は家族信託、身の回りの契約は任意後見と役割を分ける組み合わせもあります。

家族信託のページへ

見守り契約・尊厳死宣言

将来型を選ぶ場合は、定期的に連絡を取る見守り契約で判断能力の変化に気づけるようにします。任意後見人には手術などの医療行為に同意する権限はないと解されているため、延命治療への考えは尊厳死宣言公正証書などで残しておく方法があります。

任意後見・法定後見・家族信託・遺言の使い分けを見る

Law reform

成年後見制度の見直し(2026年6月成立)と任意後見

2026年6月17日、成年後見制度を見直す「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)が成立し、6月24日に公布されました。法定後見は終身制を改め、必要な期間・必要な範囲で利用するしくみ(「補助」への一本化)に変わります。成年後見に関する部分の施行は、公布から2年6か月以内に政令で定める日です。

任意後見についても、法務省の概要資料によると次の見直しが行われます。

  • 本人と複数の任意後見受任者との間で、契約の効力を生じさせる順序を合意できる(予備的な受任者を置く設計がしやすくなる)
  • 家庭裁判所が、任意後見監督人による監督の必要が明らかにないと認めるときは、監督人を選任せずに家庭裁判所が直接監督できる
  • 補助(法定後見)の利用が始まっても、任意後見契約が存続できる。あわせて任意後見契約の一部解除のしくみが設けられる
  • 本人があらかじめ公正証書で指定した人も、任意後見契約を発効させる裁判手続を申し立てられる

施行までは現行の制度で手続きします。法務省の資料では、施行日前に結ばれた任意後見契約にも改正後の法律が適用される(旧法の下で生じた効力は維持される)とされています。当事務所では、今結ぶ契約が改正後にどう扱われるかも踏まえて原案を作ります。

成年後見制度の見直しの解説記事を読む

Our role

当事務所がお手伝いできること・連携先にお任せすること

当事務所(行政書士)が担当

  • 任意後見・委任契約の内容のご相談と設計
  • 契約書原案・代理権目録の作成(行政書士法 第1条の3)
  • 公証役場の予約・公証人との文言調整・当日の立会い
  • 戸籍・住民票など必要書類の取得のご案内・代行
  • 公正証書遺言・死後事務委任契約・見守り契約の原案作成

連携する専門家が担当

  • 任意後見監督人選任・法定後見開始の申立書類の作成(司法書士・弁護士)
  • ご家族間で争いになっている案件の代理・交渉(弁護士)
  • 不動産の登記(司法書士)
  • 相続税・贈与税の申告や税務相談(税理士)

任意後見契約のよくあるご質問

Q. 親が認知症と診断されていますが、任意後見契約は結べますか。
A. 診断があることだけで直ちに結べなくなるわけではありません。契約の内容を理解し、自分の意思で受任者を選べる状態であれば結べる場合があります。契約できるかどうかは、作成当日に公証人がご本人と面談して判断します。症状が進んでいる場合は、医師の診断書をご用意いただいたうえで公証人と事前に相談します。契約が難しい場合は、法定後見の申立てを検討することになり、その際は司法書士・弁護士と連携します。
Q. 子どもを任意後見人にできますか。兄弟が何人かいる場合はどうなりますか。
A. できます。任意後見人に特別な資格は要らず、お子さまや親族を受任者にするのが一般的です。お子さまが複数いる場合は、1人に任せる、財産管理と身の回りの手続きで分担する、2人それぞれと契約する(各自代理)など、いくつかの形があります。受任者にならないお子さまにも報告書の写しが届くようにしておくと、後の相続で揉めにくくなります。
Q. 任意後見と法定後見は、どちらがよいのですか。
A. ご本人に契約を結べるだけの判断能力があるうちは、後見人と任せる範囲をご自分で決められる任意後見をおすすめしています。法定後見では、家庭裁判所が後見人を選ぶため、ご家族が候補者になっても専門職が選ばれることがあります。一方、任意後見には取消権がないため、悪質な訪問販売などの被害が心配な場合は、別途の対策も併せて考えます。
Q. 移行型の「委任契約」は、どんなときに使うのですか。
A. 足腰が弱って銀行や役所に行きにくくなった、入院中の支払いを任せたい、といった「判断能力はしっかりしているが、手続きを手伝ってほしい」場面で使います。判断能力が衰えたら家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、任意後見に切り替えます。
Q. 委任契約の公正証書があれば、銀行で親の代わりに手続きできますか。
A. 代理人による取引をどこまで受け付けるかは金融機関ごとに異なり、銀行所定の代理人届などを求められることがあります。当事務所では、契約書を作る段階で主な取引銀行の取扱いを確認するようおすすめしています。
Q. 任意後見人は、どんなことでもできるのですか。
A. できるのは、契約で定めた代理権の範囲の法律行為です。食事の世話や介護そのもの、身元保証人になること、婚姻・養子縁組・遺言といったご本人にしかできない行為は対象外です。手術などの医療行為への同意も、一般に任意後見人の権限には含まれないと解されています。
Q. 一度結んだ契約を、やめたり内容を変えたりできますか。
A. 任意後見監督人が選ばれる前であれば、ご本人・受任者のどちらからでも、公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除できます(任意後見契約に関する法律 第9条第1項)。監督人が選ばれた後は、正当な事由があり、家庭裁判所の許可を得た場合に限られます(同条第2項)。代理権の範囲を変えたいときは、新しく契約を結び直す形で対応するのが一般的です。
Q. 公証役場に行けない場合はどうなりますか。
A. 公証人にご自宅・病院・介護施設まで出張してもらうことができます。出張の場合は手数料の加算・日当・交通費がかかります。また2025年10月からは、公証人が相当と認めた場合に、ウェブ会議で面談し、電子データの公正証書にご本人が電子サインをする方法でも任意後見契約を作成できるようになりました。ただし本人の意思確認が特に重要な契約のため、公証人は慎重に判断します。当事務所が公証役場と方法・日程を調整します。
Q. 任意後見監督人は必ずつくのですか。費用はどのくらいですか。
A. 任意後見は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて効力を生じるため、監督人は必ずつきます。監督人には弁護士・司法書士などの専門職が選ばれることが多く、報酬は家庭裁判所が管理財産額などに応じて決め、ご本人の財産から支払います。
Q. 亡くなった後の手続きも、任意後見人に頼めますか。
A. 任意後見契約はご本人が亡くなった時点で終了するため、葬儀や遺品整理などは頼めません。亡くなった後のことは、死後事務委任契約と遺言で別に備えておく必要があります。任意後見契約・死後事務委任契約・公正証書遺言をまとめて作成することもできます。
Q. 遺言も一緒に作ったほうがよいですか。
A. 任意後見は「生きている間の財産管理」、遺言は「亡くなった後の財産の行き先」を決めるもので、役割が違います。特に、任意後見人になるお子さまと他の兄弟姉妹との関係に配慮が必要なご家庭では、遺言を併せて作っておくと安心です。同じ公証役場・同じ日にまとめて作成することもできます。
Q. 成年後見制度の法改正で、任意後見はどう変わりますか。
A. 2026年6月に成年後見制度を見直す改正法(令和8年法律第45号)が成立し、任意後見についても、複数の受任者の効力発生順序の合意、任意後見契約の一部解除、補助との併存などが盛り込まれました。施行は公布(2026年6月24日)から2年6か月以内で、それまでは現行制度で手続きします。法務省の資料では、施行日前に結ばれた任意後見契約にも改正後の法律が適用される(旧法の下で生じた効力は維持)とされています。

親子そろってのご相談をお待ちしています

初回相談は無料です。ご本人とお子さまのお考えを伺いながら、任意後見が合うか、遺言や家族信託と組み合わせるべきかを一緒に整理します。ご来所が難しい場合は、ご自宅や施設への訪問、オンラインでのご相談にも対応します。

神奈川県横浜市青葉区市ケ尾町1153-3 第2カブラギビル606(田園都市線 市が尾駅 徒歩1分)

主な出典

※このページは任意後見制度の概要と当事務所の支援内容をご紹介するものです。個別の事案についての判断は、ご事情を伺ったうえで行います。

※法令・公証人手数料は改正されることがあります。掲載内容は2026年9月時点の情報です。

最終更新: 2026年9月

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