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あおば行政法務事務所

家族信託 / 注意点

家族信託の注意点—向かないケース・遺留分・受託者の負担・遺言信託との違い

家族信託は万能ではありません。身上保護ができない、節税効果はない、損益通算の制限、遺留分への配慮、受託者の長期の負担、金融機関の対応差、信託銀行の「遺言信託」との混同など、契約前に知っておきたい注意点を横浜の行政書士が整理します。

#家族信託#注意点#デメリット#遺留分#受託者#遺言信託#信託口口座

家族信託は、うまく設計すれば認知症による資産凍結への強い備えになります。一方で、ご家族にとって必要のない信託を組むと、費用と手間だけが残ります。当事務所では、ご相談の場で「家族信託が向かないケース」も必ずお伝えしています。

結論

  • 不動産を動かす予定がなく、財産が預貯金と自宅だけなら、任意後見と遺言で足りることが多くあります。
  • 家族信託に節税効果はありません。税務上の不利益(損益通算の制限など)が生じることもあります。
  • 受託者になるご家族には、長い期間にわたって記録と報告の負担がかかります。
  • 信託銀行の「遺言信託」は、家族信託とは別のサービスです。

家族信託が向かないケース

  • 売却・賃貸・建替えの予定がない 自宅に住み続け、預貯金で生活できる見込みなら、任意後見で財産管理は足ります。
  • 受託者を任せられる家族がいない 専門職や会社が報酬を得て業として受託者になることは、信託業の免許・登録がなければできません(信託業法 第3条)。
  • 家族の間で対立がある 信託の設計そのものが争いの種になることがあります。先に弁護士への相談が必要です。
  • すでに判断能力が大きく衰えている 信託契約を結ぶには、委託者が契約内容を理解できることが必要です。

税務上の注意

  • 信託した財産も相続税の対象です。家族信託によって相続税が減るわけではありません。
  • 信託した賃貸不動産の不動産所得の損失は、他の所得と損益通算できず、生じなかったものとみなされます(租税特別措置法 第41条の4の2)。
  • 受託者には、信託の計算書などの税務署への提出義務があります。

詳しくは家族信託の税金と届出で説明しています。

遺留分への配慮

家族信託で財産の最終的な行き先を決めても、他の相続人の遺留分がなくなるわけではありません。特定の子に財産を集中させる設計では、遺留分を侵害された相続人から遺留分侵害額の請求を受けるおそれがあります。遺留分をどう扱うかについては、信託と遺留分の関係を論じた裁判例もあり、慎重な設計が必要です。当事務所では、遺言と合わせて全体の配分を確認し、必要に応じて弁護士の意見を得ます。

受託者の負担

受託者は、善管注意義務を負い(信託法 第29条)、財産を自分のものと分けて管理し(同法 第34条)、帳簿を作って毎年受益者に報告しなければなりません(同法 第37条)。信託は親が亡くなるまで10年、20年と続くことがあります。受託者になるお子さまが、この負担を理解し、引き受けられるかを事前に話し合っていただきます。受託者が先に亡くなった場合に備えて、後継の受託者も決めておきます。

金融機関の対応

信託口口座の取扱いは金融機関ごとに異なり、公正証書による信託契約を条件とするところや、預かり残高の下限を設けるところがあります。また、信託財産である不動産を担保にした借入れに応じるかどうかも、金融機関によって判断が分かれます。契約書を仕上げる前に、利用する金融機関の条件を確認することが欠かせません。

「遺言信託」との違い

信託協会の説明では、信託銀行などの「遺言信託」は、遺言書作成の相談から、遺言書の保管、遺言の執行まで、相続に関する手続きを引き受けるサービスです。ご家族が受託者となって生前から財産を管理する家族信託とは、目的も仕組みも異なります。名称が似ているため、ご相談の際に取り違えている方が少なくありません。

やめたいときは

委託者と受益者は、信託契約に別段の定めがなければ、いつでも合意で信託を終了できます(信託法 第164条第1項)。ただし、不動産の名義を戻す登記などの費用がかかります。「とりあえず組んでおく」のではなく、必要性を見極めてから始めることをおすすめします。

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※家族信託が必要かどうかの判断から、無料の初回相談でうかがいます。

行政書士あおば行政法務事務所 齋藤光宏

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