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あおば行政法務事務所

建設業許可・経審・入札参加 / keishin

経審の総合評定値(P点)—計算式と加点戦略

経営事項審査の総合評定値P点の計算式、感度分析(施策ごとのP寄与)、短期・中期・長期の加点戦略を、横浜の行政書士が整理します。

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経審の結論は、総合評定値(P点)という1つの数字に集約されます。このページでは、P点の計算式、施策ごとの感度、短期・中期・長期の加点戦略を整理します。

結論

  • 算式は P = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W
  • 100点改善時のP寄与は、X1・Zが+25点、Yが+20点、X2・Wが+15点です。
  • 減点を先に塞ぎ(社保・W4)、次に低コスト加点(建退共・法定外労災・防災協定)、最後に中長期施策(Z1・Y・X2)という順序が基本です。
  • 最大レバーはX1とZですが、業種別計算のため受注戦略(業種の絞り込み)が前提になります。
  • P点が強くても発注者別の等級・格付は独自判定です。P点と主観点を同時に設計します。

背景と制度の目的

P点は、発注者に共通の成績表として機能する数字です。一方で、算式は複合指標として設計されており、1か所の施策で大きく変わるようにはなっていません。借入圧縮・資格取得・防災協定加入といった複数の施策を組み合わせることで、P点は持続的に押し上げられる構造になっています。

P点の計算上の最低点はマイナス18点とされています。現行ルール下では、社会保険3本の未加入と法令違反の組み合わせで下限に到達しうる設計です。

100点改善時のP寄与

項目 100点改善時のP増加 業種別/共通
X1 +25点 業種別
Z +25点 業種別
Y +20点 会社共通
X2 +15点 会社共通
W +15点 会社共通

X1とZが最大レバーです。ただし業種別計算のため、受注戦略で業種を絞ることが前提です。全業種で高P点を付けるのは現実的ではありません。

P点の数値例

1業種想定・Y通知済みの仮想例です。

項目 入力 評点
X1 完成工事高 年間平均110,000千円 720
X2 最終 自己資本60,000千円+平均利益25,000千円 669
Y Y通知書 714
Z 最終 1級監理受講1人+1級2人+技士補1人+2級2人+その他1人、元請80,000千円 793
W W1=62,W2=10,W3=20,W4=0,W5=2,W6=0,W7=5,W8=5(合計104) 910
P 最終 0.25×720 + 0.15×669 + 0.20×714 + 0.25×793 + 0.15×910 758

各項目の評点テーブル・重み付けは告示で定められています。シミュレーション時は、施策と評点の対応関係を1つずつ確認します。

感度分析(施策ごとのP寄与目安)

変更施策 影響項目 P変化の目安
社会保険未加入 → 加入(1項目) W1 +40サブ点 約 +52.5点
建退共加入 W1 +15サブ点 約 +19.7点
退職一時金制度 W1 +15サブ点 約 +19.7点
法定外労災 W1 +15サブ点 約 +19.7点
防災協定 W3 +20サブ点 約 +26.3点
建設機械1台保有/長期リース W7 +5サブ点 約 +6.6点
ISO9001 W8 +5サブ点 約 +6.6点
ISO9001 + ISO14001 W8 +10サブ点 約 +13.1点
CPD取得(最大) W1 +10サブ点 約 +13.1点
就業履歴蓄積(CCUS 現行ルール) W1 +15サブ点 約 +19.7点
2級→1級(1人) Z1の区分コード変化 業種・人数による
1級→1級+監理講習(1人) Z1 +1点(5→6) 業種・人数による
Y 短期改善(+85点) Y +85点 +17点
Y 中期改善(+196点) Y +196点 +39点

令和8年7月1日施行の改正後は、CCUSの加点が縮小される点にご注意ください。

短期・中期・長期の優先順位

時間軸 施策 効きの根拠
短期(1年以内) W1減点解消(社保3本)、建退共・法定外労災・防災協定加入、既存1級資格者の6点化、CCUS運用整備、機械の長期リース転換、審査基準日・決算期の確認 証憑整備で取れる項目を取り切る
中期(1〜3年) 1級施工管理技士・技士補・登録基幹技能者の計画取得、ISO9001/14001認証、若年技術者採用、CPDとレベル判定運用、Y点改善の継続運用 人材・運用の育成期間が必要
長期(3〜5年) 利益剰余金の積上げ、自己資本比率改善、営業CF平準化、承継・法人成り・分社化設計 財務・組織の作り替え

鉄則は、減点をゼロにすることが先、加点は後、という順序です。減点箇所を残したまま加点を積んでも、穴の開いたバケツに水を足しているのと同じです。

等級・格付との接続

P点そのものは業種別の成績表です。等級(ランク)は発注者が独自に判定します。

横浜市

格付点数=客観点(経審P)+主観点Ms。 主観点 Ms = C×(R−65)+α(C:事業規模係数、R:過去4年間平均工事成績、α:加点項目合算)。工事7工種(土木・舗装・造園・建築・電気・管・上水道)で格付されます。

川崎市

総合点=経審点+発注者別評価点。発注者別評価点は11項目登録可(1項目10点)+優良表彰10点−指名停止5〜10点で、格付はA/B/C/D4段階です。主観評価項目制度実施要綱(平成17年11月1日施行)に根拠があります。

相模原市

総合点数=経審P点+主観点数。主観点は計80点限度、7区分で、工事成績評価(−20〜25点)が中核です。さがみはらSDGsビジネス認証8点、優良工事表彰(年1回5点、最大20点)などの加点項目があります。

減点リスクの管理

減点要因 サブ点 P点への影響
社会保険未加入(1項目あたり、現行ルール) −40 約 −52.5点
建設業法違反(W4) 監督処分等による 大きく減点
CCUS要件未充足で誓約書不整合 加点ゼロ 機会損失

他士業との業務境界

P点シミュレーション・等級査定支援は行政書士の業務です。主観点の工事成績は発注者の評定、Y改善のための財務戦略は税理士と行政書士の連携、組織再編による等級設計は行政書士(承継認可)と司法書士(登記)と税理士(税務)の連携で進めます。

あおば事務所の対応

顧問契約では、顧客ごとのP点推移(年度別・業種別)の台帳を整備し、毎年の経審結果を過去と比較しながら翌年度の打ち手を議論します。政令3市(横浜市・川崎市・相模原市)の格付は、P点と主観点の両方の内訳を可視化し、どの自治体のどの工種にリソースを集中させるかを経営判断として議論できる形にします。

P点のシミュレーションは「施策→サブ点→P寄与」を一枚のシートにまとめ、意思決定を速くする設計です。点数保証は行いませんが、施策ごとの想定効果と必要コストを示したうえで、最終判断は経営者にお任せします。

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