本文へスキップ
あおば行政法務事務所

建設業許可・経審・入札参加 / keishin

経審と入札参加資格—P点から格付・主観点まで

経営事項審査のP点を入札参加資格(国・都道府県・政令市)へどう接続するか、横浜市・川崎市・相模原市の主観点制度と統合受注戦略を、横浜の行政書士が整理します。

#経審#入札参加資格#格付#主観点#横浜市#川崎市#相模原市#神奈川県

経審のP点は、各発注者の等級・格付を決める客観点の原資です。しかし、発注者ごとに主観点制度や申請スケジュールが異なり、経審結果をそのまま使うだけでは格付は伸びません。このページでは、国・神奈川県・政令3市(横浜市・川崎市・相模原市)の入札参加資格の仕組みと、経審との統合戦略を整理します。

結論

  • 入札参加資格は経審の結果通知書(客観点)+発注者独自の主観点で決まります。
  • 申請サイクルは定期(2年に1度)と随時の2系統。横浜市・川崎市・相模原市は政令市ごとに格付算式が異なります。
  • 加点項目(障害者雇用・SDGs認証等)は前年度までの登録が必要なものが多く、逆算設計が要ります。
  • 経審結果通知書の有効期間切れは即日失格。年次カレンダーで空白を作らない管理が前提です。

経審から入札参加資格への流れ

段階 実務
① 経審 許可行政庁がX・Z・W、分析機関がY、P点を算出
② 結果通知書 有効期間は審査基準日から1年7か月
③ 入札参加資格申請 各発注者(国・都道府県・政令市・市町村・公共機関)に個別申請
④ 等級・格付 発注者がP点(客観点)+主観点で独自判定
⑤ 名簿登載 有効期間の間、該当等級の工事に入札可能

経審はあくまで客観点(P点)の原資です。最終的な発注者別の等級は発注者ごとの独自運用で決まります。

発注者別の申請サイクル

発注者 申請方法 受付時期
国(全省庁統一) 統一資格審査 2年に1度、定期
神奈川県 かながわ電子入札共同システム(e-kanagawa) 随時(毎月締切、翌月1日認定)
横浜市 横浜市電子入札システム 定期(2年に1度)+随時(毎月1日・16日登録)
川崎市 川崎市電子申請+LoGoフォーム R7-8年度登録
相模原市 かながわ電子入札共同システム経由 認定時〜R9.3末日
東京都 東京都電子調達システム 定期+随時

横浜市の格付制度

申請スケジュール

  • 定期申請:2年に1度、前年秋(例:令和7-8年度は令和6年10月1日〜10月21日)
  • 随時申請:毎月1日・16日登録

格付算式

  • 格付点数 = 客観点(経審P点)+ 主観点 Ms
  • Ms = C × (R − 65) + α
    • C:事業規模係数
    • R:過去4年間平均工事成績
    • α:加点項目合算

主要加点項目α

項目 証憑
障害者雇用(法定率2.5%超) 障害者雇用状況届出書(第3号様式)
男女共同参画(次世代育成+女性活躍の両方) 一般事業主行動計画の届出受付印
ISO9001・ISO14001 登録証(有効期限確認)

対象工事種別

  • 工事7工種:土木・舗装・造園・建築・電気・管・上水道
  • 物品委託等2種目

元下実績要件

工事費1億円の場合、元請6,000万円以上または下請8,000万円以上の最高請負実績が求められます(工事請負競争入札取扱要綱第25条1項9号)。

川崎市の格付制度

算式

総合点 = 経審点 + 発注者別評価点

発注者別評価点は、11項目登録可(1項目10点)+優良表彰10点−指名停止5〜10点の加減算で構成されます。

根拠

主観評価項目制度実施要綱(平成17年11月1日施行)第5条。

対象加点項目(11項目)

障害者雇用、災害協定、防災協力事業所、建災防(建設業労働災害防止協会)、ISO9001、ISO14001/エコアクション21、男女共同参画行動計画・認定、協力雇用主、消防団協力事業所、かわさきSDGsパートナー(令和3年度〜)等。

格付

  • A/B/C/Dの4段階(一部業種はA-Cのみ)
  • 対象業種7つ:土木・下水管きょ・舗装・建築・電気・空調衛生・水道施設

相模原市の格付制度

算式

総合点数 = 経審P点 + 主観点数

主観点数の構造

  • 計80点限度、7区分
  • 工事成績評価を中核:−20〜25点
  • JV工事の成績は各構成員に反映
  • 指名停止減点:1月につき−5点(15日以上は1月切り上げ、15日未満切り捨て)

主要な加点項目

項目 目安
災害復旧協定
建災防
優良工事表彰 年1回5点、最大20点
さがみはらSDGsビジネス認証 8点
障害者雇用法定率超
次世代育成支援法行動計画
女性活躍推進法行動計画
建設キャリアアップシステム登録

申請方法

かながわ電子入札共同システム経由(神奈川県共通様式に独自加算項目を追加する形式)。総合点数の有効期間は認定時から令和9年3月末日までです。

3市比較サマリー

項目 横浜市 川崎市 相模原市
格付区分 工事7工種でS/A/B/C等 A/B/C/D(一部A-Cのみ) 業種によりA/B/C等
算定式 格付点数=客観点+主観点Ms 総合点=経審点+発注者別評価点 総合点数=P点+主観点数
主観点の核 工事成績R(C×(R−65)+α) 1項目10点×11項目+優良+減点 工事成績(−20〜25点)中核
申請受付 定期10月+随時毎月1日・16日 R7-8年度登録 かながわ電子入札共通、認定時〜R9.3末

経審+入札参加資格の統合戦略

年次タイムライン(3月決算・横浜市定期申請対応)

4月:決算確定
5月:決算変更届提出
6月上:経営状況分析(Y)申請
6月下〜7月:経審申請
7〜8月:審査・補正
8月:総合評定値通知書(P点)交付
9〜10月:横浜市定期申請準備
10月1〜21日:横浜市定期申請受付
翌4月:名簿登載開始(翌年4月〜2年間)

統合戦略の要点

  1. 主力業種を1〜3業種に絞る:X1・Zは業種別のため、7工種すべてで高P点を付けるのは現実的ではありません。
  2. P点(客観点)と主観点を同時設計:政令市の格付はP+主観点のため、経審だけ強くても格付は伸びません。
  3. 工事成績の蓄積:横浜市のMs、相模原市の主観点は過去工事成績が核。1案件ごとの施工品質・発注者評価が直接効きます。
  4. 加点項目の早期取得:障害者雇用・SDGs認証・男女共同参画行動計画は、前年度までに登録しないと加算されないものがあります。
  5. 有効期間の空白を作らない:経審結果通知書の有効期限切れは即日失格です。

横浜市申請時の実務注意

  • 申請日時点で有効かつ最新の経審通知書が必要です。古い経審では不可。
  • 役員名簿の入力で、実際の居住地の住所を国内外問わず番地まで正確に入力します。会社所在地・非公表は不可です。
  • 最高請負実績・細目実績・主観点資料の同時準備が必要です。
  • 経審と横浜市で同一PDF束ではなく用途別にPDFを分けます

神奈川県(e-kanagawa)の随時申請

毎月1回の締切で翌月1日認定です。書類提出期限も月ごとに規定されます。横浜港埠頭株式会社などの関連機関も独自スケジュール(隔週金曜日期限等)があり、顧客の受注希望先すべてのスケジュールを統合管理する必要があります。

顧問契約での統合設計

月額顧問サービスに含められる要素

  • 年次経審の実施代行
  • 決算変更届の提出代行
  • 入札参加資格の新規・定期・随時申請
  • 主観点加点項目の取得伴走(障害者雇用・SDGs認証等)
  • CCUS運用サポート
  • 経審結果の格付シミュレーション
  • 年度末の改正情報アラート

報酬設計の考え方

基本の月額顧問料+経審・入札個別申請の手続報酬という組み立てが一般的です。点数保証は行わない前提で、追加価値の分配として成功報酬を限定的に設計する運用もあり得ます。

他士業との業務境界

経審・入札参加資格申請は行政書士の業務です。工事成績改善の現場施工管理は経営者・現場代理人、障害者雇用・男女共同参画の手続きは社会保険労務士(行政書士は加点可否確認まで)、SDGsビジネス認証・かわさきSDGsパートナーは各市独自窓口(行政書士は伴走)が主担当となります。

あおば事務所の対応

初回相談では、顧客の受注希望先(国・県・政令市・市町村・公共機関)を棚卸しし、各発注者の申請スケジュールと加点項目を一覧化します。そのうえで、経審の年次設計と主観点加点項目の取得計画を統合した工程表を作成します。

JV結成時の経審要件、定期申請期(10月)の稼働、随時申請の月次締切管理は、申請代理を受ける場合の標準業務として対応します。

関連ページ

個別のご相談は無料でお受けします

記事の内容について、お客様の事業に即した個別の判断は、初回相談(無料)で直接ご案内します。

この記事を改善する(スタッフ用)

事実誤認・誤字脱字等、お気づきの点があればこちらから報告できます