本文へスキップ
あおば行政法務事務所

外国人雇用支援 / gijinkoku

技術・人文知識・国際業務(技人国)の該当性判定

技人国ビザの3類型(技術・人文知識・国際業務)と学歴・実務経験・報酬の要件、2025年4月の対人業務の日本語要件まで、横浜の行政書士が雇用側の視点で整理します。

#在留資格#技人国#外国人雇用#就労ビザ#学歴要件#報酬要件

「うちの外国人スタッフは技人国で雇えるか」は、採用計画の最初の関門です。業務内容・学歴・報酬の三つが要件を満たさないと、どれだけ優秀な人材でも在留資格が下りません。このページは雇用側の判断材料を整理します。

結論

  • 技人国は「技術」「人文知識」「国際業務」の3類型からなり、業務の過半が専門知識・技術を要することが必須です。
  • 学歴ルート(大卒+専攻関連、または本邦専門学校の専門士)か、実務経験ルート(技術・人文知識は10年、国際業務は3年)のいずれかを満たします。
  • 報酬は「日本人と同等以上」。最低賃金以上では不十分です。
  • 2025年4月15日以降、カテゴリ3・4の機関で対人業務に従事する場合、CEFR B2相当の日本語(JLPT N2等)が追加要件になりました。
  • 単純労働(製造ラインの組立、飲食店ホール、客室清掃等)は該当しません。肩書きが「マネージャー」でも実態が単純労働なら不許可です。

背景と制度の目的

技人国は、日本の産業に専門性をもたらす人材を迎える在留資格です。入管法別表第一の二の表は「理学、工学その他の自然科学」「法律学、経済学、社会学その他の人文科学」「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」と定めています。

「外国人にしかできない業務に限定する」のが制度の考え方です。日本人でもできる単純作業を外国人に任せるための資格ではありません。この線引きを理解しないまま申請すると、肩書きと実態の乖離を理由に不許可になります。

3類型の整理

技術

理学・工学その他の自然科学分野。ITエンジニア、システム開発、機械設計、電気電子技術者、データサイエンティスト、建築設計補助、品質管理技術者が典型です。大学や専門学校での専攻と業務の関連性が審査されます。

人文知識

法律学・経済学・社会学その他の人文科学分野。経理、財務、人事、法務、企画、マーケティング、コンサルティング、海外営業、貿易実務が該当します。

国際業務

外国文化に基盤を有する思考・感受性を要する業務。通訳・翻訳、語学講師、外国テイストのデザイン、海外取引業務、外国人向け広報・商品開発が典型です。大卒+翻訳・通訳・語学指導業務であれば実務経験なしで申請できる点が他類型と異なります。

学歴・実務経験の要件

学歴ルート

大学卒業(海外含む)であれば、専攻と業務の関連性が比較的柔軟に判断されます。大学教育の幅広さが考慮されるためです。

本邦の専修学校の専門課程を修了し「専門士」または「高度専門士」を取得している場合も学歴要件を満たしますが、関連性は厳格に審査されます。シラバスや履修科目一覧の提出を求められることが多く、「自動車整備科→事務職」のような関連性の乏しいケースは不許可になります。外国の専門学校は対象外です。

実務経験ルート

技術・人文知識は10年以上、国際業務は3年以上の実務経験で学歴要件を代替できます。複数企業にまたがる通算でも可で、大学で関連分野を専攻した期間を算入できます。在職証明書、推薦状、ポートフォリオ等で立証します。

報酬の同等性

「日本人と同等額以上」が法令の文言です。同社に同職種・同キャリア年数の日本人がいれば、その賃金が基準になります。いない場合は業界平均・ハローワーク求人の相場・賃金センサス等で立証します。

よくある不許可パターンが「同業務の日本人が月20万円のところ、外国人に月17万円」というケースです。「最低賃金以上」の認識で設計してしまうと、ここで足を取られます。

2025年4月15日以降の追加要件

カテゴリ3・4の機関で、言語能力を用いた対人業務(接客、対面での通訳、対面販売等)に従事する場合、以下の2点が追加で必要です。

  • CEFR B2相当の日本語能力を証する資料(JLPT N2以上、BJT 400点以上、日本の大学・大学院・短大卒業等)
  • 所属機関代表者の申告書(業務内容・割合・外国人活用の理由)

雇用側としては、採用面接の段階で日本語能力試験の合格証書の有無を確認しておくと、後のやり直しが避けられます。

よくある誤解・不備

肩書きと実態の乖離

「マネージャー」「生産管理」「フロント」といった肩書きでも、実態が接客・配膳・清掃・ライン作業中心だと不許可です。業務時間の配分を%で示し、専門業務が過半(目安として60%以上)を占めることを立証します。

学歴と業務の関連性不足

専門学校卒は特に厳格に見られます。大学卒は「大学教育の幅広さ」で比較的柔軟ですが、文学部卒で経理、法学部卒でIT開発といった関連性の弱い組み合わせは理由書での補強が必須です。

研修期間の長期化

新入社員研修として一時的に単純作業を含めることは許容されますが、原則1年以内、長くても2年程度が目安です。「3年間の現場研修」は長すぎるとして否定される傾向があります。日本人新入社員も同じ研修を受けていることも条件です。

通訳・翻訳の実態欠如

名目は通訳・翻訳でも、実際の業務量が1日1〜2時間程度に留まるケースは要注意です。翻訳成果物、通訳対応案件リスト、外国人顧客割合データで業務量を裏付けます。

あおば事務所の対応

初回相談で、採用予定者の学歴・職歴・予定業務をお伺いし、3類型のどれに該当するか、許可見込みはどの程度か、その場で見立てをお伝えします。不許可リスクが高い場合は率直にお伝えし、代替の在留資格(特定活動46号、特定技能等)を検討します。

採用前の段階でご相談いただければ、雇用契約書の業務内容欄の書き方、報酬設計、研修計画の枠組みまで、不許可リスクを下げる設計をご一緒します。

関連ページ

個別のご相談は無料でお受けします

記事の内容について、お客様の事業に即した個別の判断は、初回相談(無料)で直接ご案内します。

この記事を改善する(スタッフ用)

事実誤認・誤字脱字等、お気づきの点があればこちらから報告できます