その他の取扱業務 / 環境・衛生
建築物衛生法に基づく事業登録—8業種の登録要件と更新を整理
横浜・青葉の行政書士あおば行政法務事務所が、建築物衛生法(ビル管法)に基づく清掃業など8業種の都道府県知事登録について、人的・物的基準の確認から申請・6年ごとの更新までを支援します。
ビルや商業施設の清掃・空気環境測定・貯水槽清掃などの業務は、建築物衛生法に基づく「事業登録」を受けることで、一定の質を満たす事業者として表示できます。登録は8業種それぞれに用意され、人的・物的基準を満たすことが条件です。このページでは、登録できる8業種の全体像と、申請から6年ごとの更新までの実務ポイントを整理します。
こんな方へ
- ビルメンテナンス事業を始める/拡げるにあたり、登録を取得して受注の幅を広げたい方
- 元請やビルオーナーから「登録事業者であること」を求められている方
- 清掃業に加えて、貯水槽清掃や空気環境測定など複数業種の登録をまとめて検討している方
- 登録の有効期間(6年)が近づき、更新(再登録)の準備を始めたい方
- 自社の機械器具や監督者の資格が登録基準を満たすか、事前に確認しておきたい方
建築物衛生法に基づく事業登録とは
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法、いわゆるビル管法)は、多数の人が利用する建築物の衛生環境を確保するための法律です。同法第12条の2は、建築物の維持管理に関する一定の事業について、営業所ごとに、その営業所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けることができる制度を定めています。
この登録は、いわゆる「許可」とは性格が異なります。登録を受けていなくても事業自体は行えますが、登録を受けることで、所定の基準を満たした事業者であることを対外的に示せる点に意義があります。発注者側が事業者を選ぶ際の判断材料として、登録の有無が重視される場面が増えています。
登録の有効期間は、登録の日から6年です。期間満了後も継続するには改めて登録申請(再登録)が必要で、更新という形ではなく新たな登録として扱われる点に注意が必要です(出典:東京都健康安全研究センター、横浜市)。
なお、政令指定都市・保健所設置市などでは、事務処理の特例により市が窓口・登録事務を担う場合があります。たとえば横浜市内に営業所がある場合は、営業所所在地の区の福祉保健センター生活衛生課が窓口です(出典:横浜市)。横浜市・川崎市・相模原市など管轄により窓口が分かれるため、営業所の所在地ごとに管轄窓口を確認します。
登録できる8業種
建築物衛生法に基づく登録の対象は、次の8業種です(出典:東京都健康安全研究センター)。
| 業種 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 建築物清掃業 | 建築物の内部の清掃 |
| 建築物空気環境測定業 | 空気環境(浮遊粉じん・二酸化炭素・温湿度等)の測定 |
| 建築物空気調和用ダクト清掃業 | 空調用ダクト内部の清掃 |
| 建築物飲料水水質検査業 | 飲料水の水質検査 |
| 建築物飲料水貯水槽清掃業 | 受水槽・高置水槽など貯水槽の清掃 |
| 建築物排水管清掃業 | 建築物の排水管の清掃 |
| 建築物ねずみ昆虫等防除業 | ねずみ・衛生害虫等の防除 |
| 建築物環境衛生総合管理業 | 清掃・空気環境測定・給排水管理等を総合的に行う |
「建築物環境衛生総合管理業」は、清掃・空気環境測定・給排水の管理などを総合的に行う業種で、複数の機能を備えることが求められます。自社が実際に行う業務に対応する業種を選んで登録することになります。
主な要件(3つの基準)
登録の要件は、業種ごとに次の3つの基準で構成されています。基準の枠組みは各業種に共通しますが、具体的な資格・経験年数・機械器具の品目は業種によって異なります。
人的基準(監督者・従事者)
各業種ごとに、業務を監督する「監督者」等が備えるべき資格・実務経験が定められています。多くの業種では、厚生労働大臣の登録を受けた機関が行う監督者講習会を修了していること(または建築物環境衛生管理技術者の免状を有していること)が求められ、修了後は6年ごとに再講習を受ける必要があります(出典:全国ビルメンテナンス協会)。業種によっては実務経験が要件に含まれます(たとえば建築物飲料水水質検査業の監督者は、大学卒業後1年以上の実務経験など複数の要件のいずれかを満たすこと——出典:厚生労働省 健衛発第326001号)。また、業務に従事する者は、事業主または登録団体が行う研修を**1年に1回程度(1日・7時間以上)**受ける必要があります(出典:東京都健康安全研究センター)。
物的基準(機械器具・設備)
業種に応じて、必要な機械器具をそろえていることが求められます。たとえば建築物清掃業では真空掃除機・床みがき機が、建築物環境衛生総合管理業ではこれらに加えて空気環境測定用の器具(浮遊粉じん量測定器、一酸化炭素検定器、二酸化炭素検定器、温度計、湿度計、風速計など)や残留塩素測定器が必要とされます(出典:東京都健康安全研究センター)。機械器具は原則として申請者が所有していること(または長期にわたり自由に使用できる状態にあること)が前提とされ、保管場所の管理状況も確認の対象になります。具体的な品目・規格は業種ごとに定められているため、管轄自治体の最新の手引きで確認します。
その他の基準(作業方法・維持管理方法)
作業の方法や機械器具の維持管理方法が、厚生労働大臣が定める基準に適合していることが求められます。実務では、業務手順書・維持管理に関する書類の整備が確認されます。
各業種の具体的な資格名・必要な実務経験年数・機械器具の品目・台数などは、業種ごとに細かく規定されています。最新の基準は、管轄自治体の手引きおよび厚生労働省の告示・通知で必ず確認します。
申請の流れ・必要書類
一般的な流れは次のとおりです。自治体により書式・運用が異なるため、管轄窓口の最新の手引きで確認します。
- 業種の選定と自己点検 — 行う業務に対応する業種を決め、監督者の資格・機械器具が基準を満たすか点検
- 必要書類の準備 — 申請書、機械器具一覧、監督者の資格を証する書類、従事者名簿・研修関係書類、作業や維持管理の方法を記した書類 等
- 申請 — 営業所所在地を管轄する都道府県知事(または特例市の市長)へ提出
- 審査・確認 — 書類審査に加え、機械器具等の現地確認が行われる場合があります
- 登録・登録証の交付 — 基準適合が確認されると登録され、登録証が交付されます
標準処理期間は自治体により異なります(横浜市では14日と定められています——出典:横浜市「許認可等の処分に要する標準処理期間」)。複数業種をまとめて申請する場合や、現地確認の日程調整が必要な場合は、余裕をもったスケジュールが安全です。
手数料は業種数・自治体により異なるため、管轄窓口で確認します。横浜市の場合、登録手数料は1業種あたり35,000円(建築物環境衛生総合管理業のみ45,000円)です(出典:横浜市)。複数業種を取得する場合は業種ごとに手数料がかかります。
当事務所の支援
ご相談ではまず、実際に行う業務を伺い、登録すべき業種を整理します。そのうえで、監督者となる方の資格・実務経験が人的基準を満たすか、保有する機械器具が物的基準に対応しているかを、管轄自治体の最新の手引きに沿って確認します。基準を満たさない部分があれば、資格者の配置計画や機械器具の整備計画をご一緒に検討します。
申請書類の作成・取りまとめ、作業方法や維持管理方法に関する書類の整備をお手伝いし、管轄窓口との事前相談を踏まえて申請します。複数業種を同時に取得する場合や、6年ごとの再登録のタイミング管理についても、計画的にご支援します。
労働・社会保険に関する手続が必要な場合は社会保険労務士、登記に関する手続が必要な場合は司法書士など、他士業の領域については必要に応じてご紹介・連携します。
料金の目安
業種数・必要書類の量・現地確認の有無などにより異なるため、内容を伺ったうえで個別にお見積りします。複数業種をまとめてご依頼の場合や、再登録(更新)の定期的なご依頼についても、ご相談ください。
建築物衛生法の事業登録は、業種ごとに基準が細かく、自治体による運用差もあります。横浜・神奈川を中心に関東に対応していますので、業種選定の段階からお気軽にご相談ください。