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第一種貨物利用運送事業の登録—自社トラックを持たずに運送を請け負うための手続き
横浜・青葉の行政書士あおば行政法務事務所が、第一種貨物利用運送事業(貨物利用運送事業法に基づく登録)の要件確認から登録申請までを支援します。第二種との違いや一般貨物との切り分けも整理します。
第一種貨物利用運送事業は、自社でトラック(緑ナンバー車両)を持たなくても、実運送事業者を利用して有償で運送を引き受けられる事業です。貨物利用運送事業法第3条に基づき、第一種は国土交通大臣の登録を受ける必要があります(第二種は同法第20条の許可制)。法律上は国土交通大臣登録ですが、実務上の申請窓口は営業所を管轄する地方運輸局・運輸支局(神奈川・横浜は関東運輸局)です。このページでは、第二種との違い、一般貨物(自社トラック)との切り分け、登録の要件と流れを整理します。
こんな方へ
- 自社でトラックを持たずに、荷主から運送を請け負い、運送会社(実運送事業者)に委託したい
- 物流・倉庫・卸売・EC物流などで、配送手配を「自社の運送サービス」として提供したい
- 荷主から「利用運送の登録があるか」を取引条件として確認された
- 一般貨物(緑ナンバー)の許可と、利用運送の登録のどちらが必要か分からない
- 国際物流のフォワーディング(海運・航空)に関わる利用運送を検討している
「運送を手配するだけだから許認可はいらない」と考えて事業を始めると、無登録営業に該当するおそれがあります。荷主の需要に応じて有償で運送を引き受け、その運送を他の実運送事業者に委託する形態は、原則として貨物利用運送事業の登録対象です。
貨物利用運送事業とは(制度の概要)
貨物利用運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自らは運送手段を持たずに実運送事業者(トラック・船舶・航空・鉄道の運送事業者)の運送を利用して行う運送事業をいいます。所管は国土交通省で、根拠法は貨物利用運送事業法です。窓口は管轄の地方運輸局(神奈川・横浜は関東運輸局)になります。
第一種と第二種の違い
貨物利用運送事業は、第一種(登録制)と第二種(許可制)に分かれます。
| 区分 | 制度 | 内容 |
|---|---|---|
| 第一種貨物利用運送事業 | 登録(法第3条) | 実運送事業者の運送を利用して運送を行う事業(第二種以外のもの) |
| 第二種貨物利用運送事業 | 許可(法第20条) | 船舶・航空・鉄道の運送に係る利用運送と、その前後の集貨・配達(自動車運送)とを一貫して行う事業(ドア・ツー・ドアの複合一貫輸送) |
第二種は、幹線輸送(海運・航空・鉄道)と、その前後の集荷・配達を一体で提供する形態で、より重い手続(許可)になります。荷物の集配を含む一貫輸送をうたう場合は第二種の検討が必要です。ご自身の事業がどちらに当たるかは、輸送モードと集配の有無で変わるため、初回相談で具体的に切り分けます。
一般貨物(自社トラック)との違い
| 事業 | 車両 | 制度 | 根拠法 |
|---|---|---|---|
| 一般貨物自動車運送事業 | 自社の緑ナンバー車両で運送 | 許可 | 貨物自動車運送事業法 |
| 第一種貨物利用運送事業 | 自社車両を持たず実運送事業者を利用 | 登録 | 貨物利用運送事業法 |
自社のトラックで荷物を運ぶ場合は一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の許可、自社では運ばず運送会社に委託して荷主に運送サービスを提供する場合は貨物利用運送事業の登録、という整理が基本です。両方を行う事業者もあり、その場合は両方の許認可が必要になります。
主な要件
第一種貨物利用運送事業(貨物自動車運送に係るもの)の登録では、おおむね次の点が確認されます。
場所的要件(営業所)
- 営業所(事務所)を有していること
- 使用権原(自己所有または賃貸借契約)があること
- 都市計画法など関係法令に抵触しないこと
営業所については、貨物利用運送事業法施行規則第6条で「営業所を有すること」が求められていますが、最低面積などの具体的な面積基準は法令上定められていません(荷主からの受注・実運送事業者への手配・運賃の請求等を行える拠点であればよいとされます)。ただし用途地域など関係法令上の制限には注意が必要です。一般貨物のような車庫・車両台数の要件は、自社車両を持たない利用運送では原則として求められません。
財産的要件
事業を的確に遂行するに足る財産的基礎を有していることが求められます。具体的には、貨物利用運送事業法施行規則第7条で、同規則第8条の方法により算定した基準資産額が300万円以上であることが基準とされています。基準資産額は、おおむね直近の貸借対照表に基づき「資産の総額(繰延資産・営業権を除く)から負債の総額を控除した額」として算定され、預貯金残高や利益の額そのものではなく、貸借対照表上の純資産に近い考え方です。直近決算後に増資等で財産的基礎が明確に増加したときは、直近の数値に加算して算定する取扱いもあります。詳細な算定方法・添付書類は管轄運輸局の最新の手引きでご確認ください。
人的要件(欠格事由)
貨物利用運送事業法第6条に定める登録拒否事由(欠格事由)に該当しないことが必要です。同条では、たとえば次のような場合が拒否事由として定められています(主なもの)。
- 1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- 第一種貨物利用運送事業の登録または第二種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
- 申請前2年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者
- 必要と認められる財産的基礎(前述の基準資産額)を有しない者
法人の場合は役員もこれらの事由に該当しないことが必要です。最新の条文・該当範囲は貨物利用運送事業法第6条でご確認ください。
利用する運送に関する事項
利用する実運送事業者との運送に関する契約(利用運送約款等)が整っていること、運賃・料金や利用運送の区域・区間などの事業計画が明確であることが求められます。
申請の流れ・必要書類
標準的な流れ
- 事業形態の確認(第一種か第二種か、一般貨物が別途必要か)
- 要件診断(営業所・財産的基礎・欠格事由の確認)
- 申請書類の作成(事業計画・利用運送約款・添付書類)
- 管轄運輸局へ申請
- 審査(補正対応)
- 登録・登録免許税の納付
- 事業開始
標準処理期間は、実務上おおむね2〜3か月程度が目安とされ、関東運輸局管内では3か月程度を見込んでおくと安心です。ただし管轄や時期、補正の有無により変動するため、正確な期間は管轄運輸局の最新の手引き・標準処理期間表でご確認ください。
必要書類(代表例)
個別事情で追加書類が必要になる場合があります。実務上の代表例は次のとおりです。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 第一種貨物利用運送事業登録申請書 | 運輸局の様式 |
| 事業の計画(利用運送の区域・区間、業務の範囲等) | 事業計画書 |
| 利用運送約款 | 標準約款を使用する場合はその旨 |
| 営業所の使用権原を証する書面 | 賃貸借契約書または登記事項証明書等 |
| 登記事項証明書(法人) | 個人は別途定める書類 |
| 直近の貸借対照表など財産的基礎を示す書類 | 純資産の確認用 |
| 役員の欠格事由に関する宣誓書等 | 様式は手引きを参照 |
様式・添付書類は管轄運輸局のページで最新版を確認します。自治体・運輸局により運用差があり得るため、管轄窓口の最新の手引きでご確認ください。
費用(登録免許税)
第一種貨物利用運送事業の登録には、登録免許税9万円(登録免許税法に基づき、第一種貨物利用運送事業登録 法第3条第1項につき1件9万円)の納付が必要です。これは国に納める税で、実務上は審査が完了して登録される段階で運輸局から納付に必要な書類が交付され、金融機関等で納付したうえで運輸局に納付を届け出る流れになります。納付期限など細部の取扱いは管轄運輸局の最新の案内でご確認ください。
当事務所の支援
あおば行政法務事務所では、まず想定する事業の形態(自社トラックの有無、集配を含む一貫輸送かどうか、利用する輸送モード)を伺い、第一種貨物利用運送事業の登録で足りるのか、第二種(許可)や一般貨物(許可)が必要なのかを切り分けます。そのうえで、営業所・財産的基礎・欠格事由の要件を診断し、事業計画書・利用運送約款・添付書類の作成と、管轄運輸局への登録申請を支援します。
登記が必要な場合(目的変更・本店移転等)は司法書士、税務は税理士、労務・社会保険は社会保険労務士の領域となるため、必要に応じてご紹介・連携します。許認可は審査を経て可否が判断される制度であり、要件充足を保証するものではありませんが、不備による補正・差戻しを減らせるよう、書類の整合性を整えてご支援します。
料金の目安
報酬は、事業形態(第一種・第二種の別)、輸送モード、添付書類の整備状況により変動します。登録免許税などの実費は別途必要です。具体的な金額は、事業内容と現在の体制を伺ったうえで個別にお見積りします。
第一種貨物利用運送事業の登録をご検討の方、自社の事業に許認可が必要かどうか分からない方は、お気軽にご相談ください。事業の形態を伺い、必要な手続きと進め方を整理してご提案します。