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あおば行政法務事務所

医療法人・医療機関 / iryo-hojin

医療法人設立の年間スケジュール—春申請と秋申請

医療法人設立認可の全体フロー(6ヶ月〜1年)、神奈川県の春申請・秋申請スケジュール、保険診療の空白回避策、事前協議の実務を横浜市の行政書士が整理します。

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医療法人設立は、全体で6ヶ月〜1年を要する長期プロジェクトです。神奈川県の春申請・秋申請、東京都の年間随時受付、それぞれにスケジュール設計が異なります。このページは、年間スケジュールと認可後の開業までのタイムラインを整理します。

結論

  • 医療法人設立の全体フローは6ヶ月〜1年。設立趣意の決定から設立登記まで7段階で進みます。
  • 神奈川県は年2回の期間限定受付(春申請・秋申請)。素案提出の受付期間はわずか9日間です。
  • 東京都は年間随時受付ですが、処理に3ヶ月程度かかります。
  • 認可書交付から設立登記は2週間以内、保険医療機関指定申請は開設月の前月上旬の厚生局締切までにクロージングする必要があります。
  • 厚生局締切を1日でも超えると翌月1ヶ月間は保険診療ができない致命的な空白が発生します。

設立手続きの全体フロー

全体で6ヶ月〜1年を要します。以下の7段階で進行します。

段階 内容 所要期間の目安
第1段階 設立趣意の決定・基本計画策定 1〜2ヶ月
第2段階 所轄庁への事前相談・事前審査(素案提出) 1〜3ヶ月
第3段階 設立総会の開催 1日(準備は1〜2週間)
第4段階 設立認可申請書の本提出 受付期間内
第5段階 都道府県医療審議会への諮問・答申 1〜2ヶ月
第6段階 設立認可書の交付
第7段階 設立登記(認可から2週間以内) 1〜2週間

神奈川県のスケジュール(令和8年度の例)

重要: スケジュールは毎年変わります。以下は参考値であり、必ず最新の県公表資料で確認してください。

春申請(1回目)

手続きステップ 時期
財産目録の基準日 令和8年3月31日現在
設立総会開催日 令和8年4月1日以降
素案提出(申請書受付) 令和8年5月7日〜5月15日(わずか9日間)
事前審査(個別面談・補正) 令和8年5月〜7月頃
本申請 令和8年夏〜秋頃
医療審議会 令和8年秋頃
設立認可書交付 令和8年秋〜冬頃
事業計画の初年度始期 令和8年12月1日

秋申請(2回目)

手続きステップ 時期
財産目録の基準日 令和8年7月31日現在
設立総会開催日 令和8年8月1日以降
素案提出(申請書受付) 令和8年8月28日〜9月8日
事前審査(個別面談・補正) 令和8年9月中旬〜11月中旬
本申請 令和8年12月初旬
医療審議会 令和9年2月上旬〜中旬
設立認可書交付 令和9年2月中旬〜3月中旬
事業計画の初年度始期 令和9年4月1日

素案提出の受付期間は9日間ほどしかありません。この期間を逃すと、次の受付まで半年待ちです。準備を逆算して3ヶ月以上前からスタートすることが実務上の前提になります。

東京都のスケジュール

項目 内容
受付方式 年2回(概ね3月と8月に受付期間)
標準処理期間 受付から認可書交付まで約6ヶ月
仮申請→認可 概ね約3ヶ月

概ねの時期

申請区分 受付期間 認可書交付
第1回(春期) 8月中旬〜下旬 翌年2月下旬
第2回(秋期) 3月中旬〜下旬 8月下旬

東京都は都市部特有の案件数の多さから、窓口の混雑や事前相談のアポイント取得自体に時間を要するケースがあります。

認可後〜開業までのタイムライン

認可書の交付後も、保険診療開始まで以下の手続きが必要です。

手続き 期限・タイミング 担当
設立登記 認可書交付から2週間以内 司法書士
登記事項届・役員就任届 登記完了後速やかに 行政書士
個人診療所の廃止届 法人開設日の前日 行政書士
法人の診療所開設許可申請 登記完了後(開設予定日の約3週間前) 行政書士
保健所の実地検査 開設許可申請後 行政書士(立会い)
診療所開設届 開設後10日以内 行政書士
保険医療機関指定申請(厚生局) 開設月の前月上旬(締切日まで) 行政書士
税務関係届出 法人設立後速やかに 税理士
社会保険・労働保険手続き 法人設立後速やかに 社会保険労務士

保険診療の空白回避(最重要)

遡及指定の仕組み

  • 保険医療機関の指定は「月の初日」から効力を発します
  • 法人の開設日を月初(例: 12月1日)に設定
  • 前月末日(11月30日)をもって個人診療所を廃止
  • 厚生局への指定申請を期日内に完了 → 遡及指定により空白なし

失敗した場合のダメージ

  • 厚生局の締切日(通常、前月の10日や15日頃)を1日でも超過 → 遡及指定不可
  • 翌月1ヶ月間は全額自費診療または休診
  • 経営を揺るがす致命的な経済的打撃

この1日の遅延で、月間の診療報酬がほぼゼロになります。個人診療所の廃止を止めるか、法人としての開業を1ヶ月遅らせるかの選択を迫られ、どちらにしても経営に深刻な影響が出ます。

回避策

  • 認可書の交付前から司法書士と情報共有し、登記書類を事前準備
  • 保健所への事前相談を早期に開始
  • 厚生局の締切日を正確に把握し、逆算してスケジュールを組む

事前協議の実務

神奈川県の事前審査の特徴

  • いきなり本申請は不可。必ず「素案」を先に提出
  • 素案提出後、県の担当者と個別面談方式で問題点を整理
  • 面談には設立者(理事長予定者)本人の出席が求められる場合あり
  • 事前の入念なシミュレーションが不可欠

行政が注視する3つのポイント

  1. 財産的基礎の確実性: 負債が過大でないか、運転資金が確保されているか
  2. ガバナンスの透明性: 役員・社員の構成、第三者の選任理由
  3. 非営利性への抵触: 関係者への不当な利益移転がないか(MS法人との取引等)

追加資料(「宿題」)への対応

行政からの指摘に対しては論理的な回答が必須です。診療圏調査データ、レセプトデータ分析等を追加提出します。経験豊富な行政書士は行政の懸念を先回りして説明書面を準備します。

面談で「補正」という言葉が出た時点で、次の受付サイクルに回る可能性が見えてきます。初回の素案段階で論点を潰しておくことが、スケジュール遵守の鍵です。

スケジュール管理のチェックポイント

□ 所轄庁の最新の受付スケジュールを入手したか
□ 税理士の決算確定スケジュールと基準日の整合を確認したか
□ 残高証明書の取得日を基準日に合わせて手配したか
□ 役員候補者の証明書類(登記されていないことの証明等)の取得を開始したか
□ 家主への法人名義切替の打診を開始したか
□ 司法書士への登記依頼を予約したか
□ 保健所への事前相談の日程を確保したか
□ 厚生局の保険指定申請の締切日を確認したか

あおば事務所の対応

医療法人設立は、受付期間から逆算して最低3ヶ月前から準備を開始するのが当事務所の基本姿勢です。税理士(武蔵小杉の北澤税理士等と定期連携)、司法書士、社労士、保健所、厚生局、金融機関—関係各所との調整を、当事務所がプロジェクトマネージャーとして一元管理します。

初回相談では、先生のご開業計画と目標開業月を伺ったうえで、春申請・秋申請のどちらに合わせるか、あるいは東京都・他県での申請を検討するかを一緒に整理します。開業月の遡及指定を実現するためのスケジュール設計は、経験の蓄積が直接ものを言う領域です。

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