建設業許可業者の電気工事業開始届(みなし登録電気工事業者)について
以前、電気工事業の登録業者であった会社が、
500万円以上の電気工事の請負契約を締結するため、
建設業許可の電気工事業の許可を取得する場合がある。
また、最初から、建設業許可の電気工事業の許可を
取得するという場合もある。
その時忘れてしまうのは、電気工事業の開始届である。
あまり知られていないことだが、
電気工事業の登録業者となっていなくても、
電気工事の請負契約を締結することは可能だ。
ただ、請負契約を締結できても、実際の電気工事の施工はできない(例外もある)。
この点で、生まれる誤解は、建設業許可(電気工事業)が、
電気工事業登録の上位の許認可であるという誤解だ。
建設業許可を取得したのだから、
電気工事業の登録(開始届)は不要という誤解である。
この誤解に基づいて、
電気工事業法上の開始届が出されていないケースに遭遇することがある。
どうして分かるかというと、その会社に勤務していた第二種電気工事士が
独立して電気工事業の登録を受ける際に発行を受けた実務経験証明書に
建設業の許可番号が書いてあったりして、所轄庁に確認すると、
開始届が出されていないということが発覚するのである。
そうすると、建設業の許可を取得していることは間違いないから、
請負契約の金額的な制約(500万未満)はなくなっているのが事実だが、
建設業の許可は電気工事の施工ができるようになる許認可ではないから、
そこに勤務していた第二種電気工事士の方の実務経験証明書を
書く資格がそもそもないということになってしまうのだ。
だから、電気工事業の建設業許可を取得した会社は、
よほどの例外に該らない限り、
電気工事業の開始届を出しておかないと
後で困ることになってしまうのである。
尚、電気工事業の開始届を提出した会社は、
建設業許可の更新の都度、「変更届」の提出が必要だ。
これを出しておかなかったために、
後々困ってしまった事例もある。
その話は別の機会にしたいと思う。